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プロフィール

トリルMM

Author:トリルMM
30代で発病 女性
2006年5月に膠原病である
「成人スティル病」を発症。
現在、寛解中。
体質改善に励んでいる。

スティルの細かい入院記録は
カテゴリー「スティル病」に。
スティルの経過ダイジェストは
カテゴリー「スティル記録」に
掲載しております。


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退院寸前のある日の朝。

廊下から響きわたる大声。
私たちの部屋は、廊下のつきあたりに近いところにある。
誰がしゃべっているのか。見舞い客?朝から?
それにしても長い。もう5分位、声が途切れない。
うるさいなあ。

でも、ひとりの声しか聞こえない・・・ってことは、もしかして電話?

「・・・うん、うん、そうなのよ。今日死ねば明日は・・・うん、うん・・・」

ん?今、「死ねば」って言った?

同室の人たちは、いっせいに顔を見合わせる。
聞き違いじゃないよね?
「ダレ?何?」と眉をひそめ、顔で言う。
聞いたことのない声だった。

そういえば昨夜、何かバタバタした音が聞こえていたような。
誰か危ないのかな?と思っていた。
その人の身内?

マナさんが一番近い位置にいて、不愉快そうに眉を寄せる。
ナースがマナさんの点滴の用意や世話をしているので、動けない。
こんな非常識なことには、
真っ先に注意しに行くタイプのマナさんである。

まだ声は聞こえる。
「・・・うん、早く死んでくれればね~。
 まあ、○○の所も忙しくて・・・オホホホ~」

って、え~?!!
患者とどういう関係なの?ホントに身内?

みんな声も出せずに、シンとしている。
お向かいの部屋に、ものすごく声の大きい女性がいるけど、
電話のヘビーな内容に今は固唾を呑んでいるのか、
異様に静かである。

すぐ終わるかと思えば、もう15分近くになる。
内容から何となく、義理の父親が患者のようである。
「死んだら」連呼で、さすがに気持ちが悪くなる。

「何かひどくない?私、言ってこようかな」
と、私がベッドから降りようとしたら、そばにいたナースが
「あっ、私が行きます。ちょっとひどいですね」
と、注意しに行ってくれた。

内容には触れず、「こんな所でケータイはご遠慮ください」
って柔らかい注意だったけど。
もっと激しく言うかと思った。
声はすぐやんだ。

ケータイ、大声、だけでも非常識なのに、
どんな患者がいるかわからないところで、
「死」だなんて縁起でもないことを。

自分の身内の部屋から離れた所なら、どこでも良かったんだろうけど、ここらへんも病室だし。
内容も仲が悪いのか何だか知らないけど、これって人としてどうなの?

マナさんは
「昨日の夜、あっちの病室の人が危なくなったらしいね。
 さっきの人、多分息子のお嫁さんだよ。
 だいぶ頑固なおじいさんみたいだったから、
 色々あったんじゃないの~?
 ご家族から『もめてる』って聞いたよ~」

って、マナさん、どんだけ遠征してるんですか。

マナ「で、危なかったけど、持ち直したみたいだから、
その報告の電話じゃない?」
トリル「何で朝からそんなこと知ってるんですか」
マナ「だってベッドが廊下に出てないもん。すぐわかるよ」

そうだった。亡くなった人がいるときは、
廊下にその方のベッドが出て、病棟に独特のムードが漂う。
普通に退院してもベッドはメンテのため廊下に出るが、
何となくどちらかわかるのだ。

この部屋の人たちも敏感に気付いて、
「誰か亡くなったよね」という話になる。

病人になってわかったことがある。
お見舞いに来た人の心情が露骨にわかってしまうのだ。

私は気を遣われたり、
痩せたり太ったりで、姿が変わったのを晒すのがイヤだった。
それでほとんど入院の連絡をしなかったので、
見舞いも少ない方だったけど、
やはり救急車を呼ぶと、そこそこうわさになってしまう。

心底心配して来てくれた人は、
部屋の入り口からもう、
明るいオーラみたいなものを持ってやってくる。
色で言うと薄い水色か、薄い黄緑みたいな。
うまく説明できないけど。

自分で書いていて、われながら怪しい人みたいだけど・・・
気のせいだと言われればそれまでだけど、そうなのだ。
もともと自分はそういうものはよくわからないんで、
ちょっと怖かった。
というか、知らないほうが良かったかもしれない。

よく「病人は敏感だ」というけど、それは
「いつも寝ていて変化のない生活をしているから、
 ちょっとでも何か変わると気付きやすい」
と、かつて私は解釈していた。

それもあると思うけど、
自分が病気になってみると、ちょっと違った。

命の危機というか、病気など、自分で自分を守れない状態になると、
目の前にいる人が自分を守ってくれる人か、
そうでない人かを瞬時に嗅ぎ分ける、
弱った人独特の本能が働くのではないかと思う。
それを感じとって、守ってくれそうな人はボヤーッと輝いて見える。

たぶんこれは私だけが感じたことではないと思うのですが・・・

今はもう、こういうことは全然わかりません。
複雑な思いもしたけれど、違う世界を見たようで、
これはこれで不思議な経験をしました。

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タグ : 本能 オーラ

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