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プロフィール

トリルMM

Author:トリルMM
30代で発病 女性
2006年5月に膠原病である
「成人スティル病」を発症。
現在、寛解中。
体質改善に励んでいる。

スティルの細かい入院記録は
カテゴリー「スティル病」に。
スティルの経過ダイジェストは
カテゴリー「スティル記録」に
掲載しております。


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同室の人はどんどん退院していき、私はすっかり部屋のヌシである。
(ヌシ・・・嬉しくないが)

入院期間は人それぞれだけど、平均10日間という感じ。
「早く良くなってね。残り少ないけど良かったら使って」
と、お別れにテレビカードをくれる。

新しい患者が入ってくる。
今まで60代までの比較的若い方が多かったが、
今度はお年寄りが続けてふたりだった。

おひとりは病状が重いらしく、
ナースが話しかけてもあまり返事ができない。
点滴の監視装置がつき、しきりにナースが様子を見に来る。
かなり大柄なおばあさんで、ベッドがきゅうくつそうであった。

もうひとりは対照的に細いおばあさん。
お若いときはさぞかし気が強かったのでは・・・
と全く失礼極まりないが、外見から勝手に想像する。

夜。

変な音で目が覚める。
音の方向から察するに、
大きいおばあさんがガタガタ何かやっているようだ。
ハアハア言う息遣いも聞こえる。

「トイレかな?
 でもこの人『勝手に動かないように』って言われてなかったっけ?」
監視つきの点滴装置が鳴り始めた。

廊下に出て行く気配がする。ええーっ!
「ガシャーン!!」と派手な音がした。
数名の足音がして、だんだんザワついてくる。
同室の人がやはり目をさまし、カーテンを開け、
「大変!」とナースコールをしたようだ。

廊下から「血が・・・」とか「起きられる?」とか、聞こえる。
しばらくザワザワとしていた。大丈夫だろうか?

次の朝、隣のベッドの人が詳しく教えてくれた。
大きいおばあさんは自分で点滴を引き抜き、
廊下に出て倒れていたらしい。
派手な音は、廊下の歩行器か何を押し倒した音だという。
それに点滴をむりやり抜いたので、血が点々と部屋から廊下に。

朝のチェックでナースが小声で

ナース「トリルさん、ゆうべはごめんなさいねえ~、眠れた?」
トリル「はあ、びっくりしましたが大丈夫です。
  おばあちゃんどうですか?」
ナース「よく言っておいたから。でも動きたい気持ちもわかるわねえ。
  お年寄りは自分が歩けないなんて信じたくないから、
  無理しちゃうのよ」

わかる気がする。

その後は、無理に自力で食事をしようとして、
お味噌汁をベッドにぶちまけるとか、
ひとりでポータブルトイレで用を足そうとして、
勝手にベッドから降り注意される、などの小騒ぎもあったけど、
ナースの言うことを少しずつ理解したらしく、
おとなしく養生するようになった。

ベッドが狭く感じるのか、いつも変な角度で曲がって寝ていて、
ナースが「あっ、またあ・・・どうしてなの~」
とちょっと笑いながら、体の位置を変える。
話はできなかったけど、何となく愛らしいおばあさんだった。

もうひとりのおばあさんは、反対にナースコールがひんぱんだった。
動けないので仕方がないが、
処置をしてナースが行ってしまうとまた鳴らす。

「背中が痛いー。ベッドを起こしてー」
「くだものが食べたい~」
「ベッドを寝かせてー。枕をずらしてー」

30分と置かず、ばんばん鳴らす。
ナースコールは鳴らすだけでいいのだけど、
コールをマイクのようにして思い切り用事を叫ぶのだ。

おばあさんの隣のベッドの人がたまりかねて、
「それ、マイクじゃないから。
 声は出さなくても看護婦さん来てくれるから」
とそっと注意するが、わかってもらえてないようだった。

でも日中はまだ良かった。
真夜中のナースコール。

「ご飯はまだかねえ~!お腹がすいた~」

ハッ、何、今の?暗闇で心臓がバクバクする。
時計を見ると、夜中の3時だった。
・・・もしかしてこの人、認知症だろうか?
ナースが駆けつけ、根気よくいいきかせる。

まだ夜中なんで、あと4時間待とうね。

「どうしてご飯をくれないの~。
 くだものが食べたい。氷が食べたい」
ナースが小さな氷を口にふくませ、
「夜中はできるだけがまんしようね。他の人も寝ているからね」
と小声でさとすが、わからないのか、
「ごはーん!」と叫ぶ状態がしばらく続いた。

私も夜中に熱があがるので、処置のためガサガサする。
お互い様な所もあるし、おばあさんを責める気は全くないが、
さすがにこのひんぱんなナースコールが、だんだん体にこたえてくる。

昼なかも「くだものちょーだーい!」「こおりー!」
とだしぬけに叫ぶので、心臓がビクッとし、
昼も夜もバタバタと出入りが激しいので、
睡眠不足がおぎなえないのだ。

ナースは
「トリルさん、大丈夫?安眠できてる?
 ちょっと部屋のこととか考えるからね」

その3日後くらいに私は隣の部屋にうつることになり、ひとりは退院。
私の移動後、
細いおばあさんの名札をナースステーション前の部屋で見つけた。

たびたび呼ばれるので、その方が都合が良かったのだろうか。
ナースステーション前は重症の人が多い。
具合が悪くなってしまったのだろうか・・・違うといいけど・・・

しかしナースはすごい。
何度呼ばれてもきちんと来て、できるだけ希望をかなえようとする。
だめなことはだめと優しい声で根気良く伝える。
ここは丁寧で優しいナースが多い。

よく「ナースは天使だ」といわれるけれど、
私にも本当に天使に見えるときがあった。

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