前回書いたお茶会にて、ある奥様から突然
小さな声で尋ねられた。
奥様と私、ふたりだけになった楽屋(?)・・・じゃなくて
控え室にて。
奥様「・・・ねえあなた、間違っていたら申し訳ないのだけど、
『膠原病』・・・って・・・」
ちょっと驚いたけど
トリル「・・・はい、そうです。・・・何でご存知なんですか?」
どこからか噂でお耳に入ったらしい。
まあ、私は救急車で運ばれたし、親もこの地に長いこと住んでるし、
そんな話題になることもあるでしょう。
奥様「ああ、やっぱりそうだったの。
・・・実は私も膠原病でね」
トリル「えっ!そうなんですか~。
今日は大丈夫なんですか?
それで、膠原病の何と言う病気ですか?」
奥様「・・・それがね、これという病名はついてないの。
お医者様に『膠原病に近い数値が出ている』とか何とか言われて」
よくわからないけどおそらく「診断基準に満たないが、
膠原病系を診断する数値が上がってきている」と、いうことらしい。
最近調子が悪いので、今年のお茶会は着物を着て茶席に出ずに
控え室担当にしてもらった、と奥様はおっしゃる。
奥様「まあ~、着物を着るのもやっぱりおっくうでね。
着ることを考えるだけで疲れてしまって」
トリル「そうですよね。気力がないと、なかなか準備も大変ですよね」
何となく、慰めあう雰囲気になる。
奥様「それでね、この病気って見た目じゃわからないことも
多いみたいでしょう。
膠原病って説明してもよくわからない人も多いし。
私だって最初『高原病?山なんか行ってないわよ。何それ』
って思ったの。
『高山病』と間違ってたのねえ~(笑)」
トリル「あはは、私の親も最初に聞いたときはそう思ったらしいですよ。
『何で高原?』って思ったって」
奥様「まあ、ショックもショックで、治らないって言われるし、
体は
だるいし、誰かこの気持ちをわかる人がいないかと思ったら
あなたがそうだっていう話を聞いたものだから・・・
・・・ごめんなさいね」
疲れやすいので、一日に予定を入れるのは、ひとつだけにして、
前後二日間はなるべく空けて、無理はしないようにしている
と私が言ったら、
「私もそうよ」と奥様は笑う。
人に会うときは元気な態度で明るくしている、ともおっしゃる。
トリル「家事も、できるときにやれることはガーッと一気にやって
やれないと思ったときは、寝てるんですよ」
奥様「私もそうよ。でもやっぱり見た目が普通だから
『なまけ病』って思われるみたいで。
・・・それがつらいわね」
日によって体調はずいぶん違うので、そう思われることも
あるかもしれない。
奥様は、おそらく私と同じ
スティルではないと思うけれど、
「
疲れやすい、
だるい、先々不安」
と、膠原病の人とうなづきあって、
少し心が軽くなったような気がした。
「同病相哀れむ」って好きな言葉じゃないけれど、
自分だけじゃない、とか
自分の症状を同じ状態でわかってくれる人がいるのは
やっぱりホッとする・・・と思った、控え室でのヒソヒソ話でした。
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